最初のステップとして、岡山の運輸交通事業、車両改造・修理・保守、ロジスティク スのオペレータである「両備ホールディングス」様と覚書を締結。IVECO社の技術供与のもとに日本仕様のバス・トラック車両を開発し、運送ネットワークを構築します。また、同様に関西の物流業者様とトラックに関して覚書を締結させていただき、天然ガスエンジン仕様のトラックの普及にも着手したことを報告させていただきます。
於: 東京 2017年9月6日。
本日、我々IVECO社は、日本での天然ガス自動車を普及させるため、日本市場に進出することを発表させて頂きます。これは温暖化ガス削減に向かう、世界的な動向に対する、IVECOブランドの戦略の一環で、運送事業の未来に希望をもたらす積極的な取り組みと自負しております。
まず、最初にパートナーになって頂ける両備ホールディングス様とは、トラック及びバスに関して幅広く協力していくことを確認しました。IVECO社側からは完成車両の提供はもとより、シャーシのみの半完成車両の提供や技術供与を行います。その後、両備ホールディングス様で日本仕様のバス車両を組み立てて頂く予定です。協力関係の中には車両の保守や技術アシスタンスも含んでいます。
また、関西の物流業者様には、実際に天然ガストラックを使用して頂ける事になりました。
覚書による日本のパートナー様との合意は、天然ガス自動車を全世界で普及させたいというイベコ社の世界戦略にも合致しています。我々は天然ガス自動車の優位性をプレス発表させて頂くことにより、天然ガス・サプライヤであるガス会社、その他の物流業者に幅広く呼びかけ、インフラ整備を含めて「経済的」にも「環境的」にもメリットのあるサプライ・チェーンを確立したいと強く願っております。しかし、この取り組みは数台規模で実施してもあまり効果は得られません。台数規模を確保することにより初めて「経済的」「環境的」にインパクトを与えられます。そのため、これからより幅広くご協力をお願いしていく次第です。これからの天然ガス自動車の環境整備に、IVECO社も積極的に邁進してまいりますので、ぜひご協力をお願いしたします。
今回の天然ガス自動車推進を後押ししている要因の一つが、2017年6月に日本の経済産業省とヨーロッパ委員会とが締結した、「LNGの需要増加に対する認識の共有と市場の活性化に協力する」という覚書の締結が有ります。この覚書の中で陸上輸送、海上輸送でのLNGパワートレインの技術開発、普及も明記されています。
2016年のG20のアクション・プランの中でも指摘されている通り、アジア・太平洋地域でエネルギー・アクセスを改善するために様々な政策が検討されています。また、ヨーロッパ委員会の“低排出ガス・モビリティのための欧州戦略”で将来の温暖化ガス削減のためには天然ガス自動車の大きな役割が明記され、天然ガスが既に技術的に確立しており、最も持続可能性が高い燃料と評価されています。
IVECO社は持続可能性を重要な目標としてきました。そのため、早くから天然ガス自動車の可能性に期待し開発を続けてきました。現在ではその技術的成熟度、性能、コストなどからもっとも現実的な燃料と確信しています。自動車のタンクにいれた後の燃料によるタンク・トゥ・ホィールでも、そしてバイオガスを使用すれば、燃料の製造からを考慮するウェル・トゥ・ホィールで温度化ガスを大幅に削減できます。
我々の天然ガス自動車への取り組みは20年以上に及びます。そして、ヒトとモノの運送の現実解として実績を積み重ねてきました。天然ガス自動車完成車両の販売数は2万2千台で、天然ガス自動車の中でも、重量車では圧倒的なシェアを誇るのと同時に、軽量車も含めたライアップを揃えている稀有な存在です。軽量商用車から長距離向け重量車まで様々な需要にIVECO社は柔軟に対応します。
車両の側面はIVECOが提供します。後は天然ガス自動車普及のために皆様のご協力を仰ぎ、日本の自動車市場で、天然ガスがキープレイヤとなるべく協力していきます。